壁の手摺りは指が2本掛かれば手摺りとして十分機能します。
2021.6.30 -[ コラム ]

上の画像の様に床から90cmの高さまで板を貼る仕上げがあります。最近の住宅ではあまり目にする事がなくなった仕上げです。
こんな仕上げ工事をした住宅に暮らしていますが、特に何も感じることなく18年間も暮らしてきたのですが、今回の腰の病気で思わぬ事に気付きました。
激しい痛みに襲われて数日が過ぎたころには少しずつ立ち上がる事も可能になり、それなりに家の中での行動範囲も広がっていきます。そんな中、意外に役に立ったのがこの腰壁の仕上げによる凹凸だったのです。その凹凸が手摺りの代りになりました。
「えっ!」と思われたかもしれませんが、本当なのです。

こんな感じです。この凹凸は約3cmなのですが、手摺として十分に機能しました。凹凸部分に指を掛け、その指側の腕と肩を壁にくっつけ、少しずつ少しずつ進むのです。障害者は思い切った動きが出来ませんので、それ以上怪我をしない様にゆっくり行動できればそれで十分なものです。特にトイレに関しては、自分で出来る事に越したことはありません。
家中、いたる所に手摺りとして突起をつけるわけにはいきませんが、必要なところ、若しくは必要になりそうなところに突起を付けておくのも良いのかなと思います。

画像が小さいですが、一般的な手摺りの画像になります。これは壁から7cm突起してきます。これを家中いたる所に設置すると少し窮屈な感じがします。私自身も体が不自由になられた方のご自宅にケアマネージャーの方の指示通りに手摺りを何度か設置した事がありますが、設置した後、少し窮屈だなと感じました。しかし、後から設置するものですし、障害者の方が自力で生活するための手摺りですので、それはそれで良かったんだと思います。
壁の手摺りについても考えさせられた良い機会になりました。